昭和上司を味方につける「親の介護の伝え方」
親の介護をするために、長年務めた会社を辞めるビジネスパーソンが増加中。
おやの介護で「介護離職」の防止策です!
企業に対して国はコンプライアンスとして企業に従業員の支援を制度化しているのをご存知ですか?
仕事と介護はこうやって両立させる!!
ポイント1!勤務先の仕事と介護の両立支援制を利用する
ポイント2!自分で「介護をしすぎない」
………
ポイント6!
(厚生労働省:平成29年度仕事と介護の両立支援リーフレットを参考にしてください。
そりゃぁ~その通りです。
先日、会社員が喫茶店での会話です。
会社員A「親の介護って大変なんだよ、初めてのことでさぁ」
会社員B「企業はコンプライアンスって、国からの通達があるんだよ」
会社員A「えーっと、仕事と介護の両立では…」
会社員A「はっ!?何がポイント1だよ、まず会社が介護なんて理解してくれないんだから、ポイント1も2も無いよ!」
実際、介護休暇を取りたいと昭和育ちの上司に言うと
「家のことは嫁に任せればいいじゃないか」
「俺たちは親の死に目にも合えないもんだったぞ、何を甘いことを言ってるんだ」
と言われてしまいます。
言われた方は、
心のシャッターガラガラ
と音を立てて閉まってしまいます。
中日新聞朝刊(2024年3月8日)に、「時短勤務制度はあるけど使えない」という会社員の声が掲載されていました。
介護支援制度についてお話しすると、制度前身は1992年4月の育児法制定から始まって1995年に育児介護法と改定されました。そして現在に至るまで幾度も内容の改定が行われています。
なのに…まだまだ変わっていませんね。
というか
日本国民は養分(?)としてお金は徴収されるけど、
自助!共助!!受益者負担!!
で丸投げされちゃう状態です。
なので、自分で身を守らなければなりません。
だけど、会社の、誰に、何を聞き、何を伝(話)えればいいのか…悩みます。
今回も独断と偏見で、その悩みの解決方法について、”こそ”っとお話ししていきます。
【親の介護】フリから始まる職場への伝え方
ポイントは5つ。整理してから伝えるのですが、実はその前提となる“フリ”が重要です!
そうなんです。すべては“フリ”。
ドラマでもお笑いでも必ず、“フリ”がありますよね。
「フリ!」
日常会話なかで、さりげなく自分の状況(家族背景)の話しをしておきます。
自分がやらなくてはいけないこと、これから必ず予想される状況のことを伝えておきます。
必要な事は、具体的に伝えないと流される可能性があるのです。
「誰へ?」
直接、仕事を管理・監督・指導している立場の上司。
ミカタについていれば安心して、柔軟に対応してくれます。気難しい上司もいるかもしれませんが、その上司も「人の子」です。しかし、まったくダメな上司の場合は、その上の上司。その時は権力をミカタにつけるようにしたいもの。
「何を聞くか?」
親の介護の前例を聞いてみる
①会社として制度上で対応したのか?
②上司の心、心意気で対応したのか?
③いままで実績が無いときは、仕事を続けながら親の介護をするための動き方をきいておきましょう。
「何を伝えるか?」
家庭で起こった具体的な事実、例えば「親の介護で通院同行が必要なった」とかです。
規定では要介護2クラスとか厚労省は言っていますが、専門的に内容を分析すればそのエビデンスはいくらでも作れます(介護認定調査員のスキルでないとムリかな)。
しかし、四角四面に捉われなくても、昭和育ち上司は心遣いで処理してくれるのが一般的でしょうか。
「いつ話すか?」
急に仕事に穴をあけずに、職場にメンバーにしわ寄せ負担がいかにようにする為に
早目に伝えておくことが大切です!
早く伝えることで職場の態勢が整います。なので、親の介護を理由に介護休暇などがとりやすくなります。実は昭和育ちの上司は“人”への根回しがスキなのです。理由を理解した上で会社に言ってもらえるので休みが取りやすくなります。
【昭和上司からの激高】
次郎さんは、大手メーカー勤務の52歳。
母タエさん83歳の在宅介護を妻と二人三脚で行っています。
母は苦労人、母のタエさんは次郎さんの祖母を献身的に自宅で介護をしたのを目の当たりにして育ちました。だから、いつか母の老後は自分がみると何となく「ふわぁー」と描いていたのでした。
次郎さん、アタッシュケースを片手に、北京・モスクワ・パリ・ニューヨークと働いていた5年前の出来事です。
母タエさんが脳梗塞で倒れて状況は一変します。
タエさんが倒れてから、入院、手術、歩行と言語に障害が残ってしまいました。が、介護の手があれば自宅で過ごせる状況。担当者会議という介護サービスの為に専門職が集まってケア計画の会議、何日も休暇が必要な状態。
突然電車のレールが「ガチャ」っと切替わり行先不明の方向に吸い込まれていく不安を感じてました。
これまで通りの生活、仕事をしながら介護をしたい。
決心した“心”とは裏腹に、予想していなかった会社の対応が、
おろし金で大根をすりおろすようにグイグイ削られていきました。
切羽詰まった状況で、デスクに戻りぐったり
「もうムリだわ…」
「おまえ!いいから休め!」
フロアー中に響きわたる上司の激高
休みを取ることができたのは上司のお陰。
実は一緒に飲みに行ったり、仕事も家の事も話していた直属の上司です。
上司が動きましたが、会社からの認識は別。
会社から上司が言われた言葉は
『後は嫁に行かせておけばいいだろう』
『そんな事で休んでる奴なんていないぞ』
結果、会社には認められなかったけど、上司と同僚が協力して出勤時間など便宜を図ってもらえました。
「介護離職はさけられたし、昇進はできなかったけど、介護をしながら居心地よく仕事を続けられたことには感謝している」と、優しく微笑みながら話してくれました。
でも…と、
一瞬で険しく厳しい表情に変わり
「そんな体験をしてる僕だから、今でもあれこれ会社に要望を出し続けている。安心して働きやすい環境を作らないと、いつかみんなが困るから。だって仕事がないと介護もできないからね」と。
【昭和育ち上司の取説】
今の上司と言えば、昭和生まれの世代。
今流行りのドラマ『不適切にも程がある』の昭和のおじさん達が、昭和のおじさん達に叩き上げで育てられた世代。
「家庭のことを職場に持ち込むな!皆そうやって働いてきたんだ!」
今では不適切なその考え方も、彼らの誇りであり、簡単に崩れるものではありません。
でも、ドラマのおじさん達って、ずけずけと立ち入ってくると同時に“情”が深~いです。
一般的な昭和の特徴
おじさんは、ヒーロー大好き!
悪者からみんなを守る!勧善懲悪(かんぜんちょうあく)。
おばさんは、いつまでもヒロイン!
いつか白馬の王子が迎えにやってくる!?こころが柔らかい。
そしてこの方々は自分を頼りにされることは嫌いではありません。
むしろ、大スキ!
なので、あなたの状況を相談することで、どうやったら力になれるか、考えてくれるチャンスはあります。
普段から、家庭の話や介護の話を軽くでOK、上司に話しておきましょう。
で、自分だけが助けてもらうのではなく
日頃から上司・同僚に対しても協力を惜しまない姿勢は大切ですよ。
これ重要です!