親の認知症介護、イラってしないコミュニケーション術

介護と仕事

親の認知症介護、イラってしないコミュニケーション術

【認知症】親の介護、押し寄せる葛藤

親が認知症になったとき、家族にとっては衝撃的です。

いつも頼りにしていた親の姿が少しずつ変わり、時にはあなたのことさえもわからなくなってしまうということもあります。

母さん、また同じ話が始まったよ…。
母さん、さっき話したばかりでしょう…。

認知症状が出てくると、頼りにしていた親との関係性は一変してしまいます。
混乱、戸惑い、どうしてくべきなのか…、
そしてインターネットネットや書籍などの記事のように、
認知症状の親へ、優しく接することができるだろうか?

介護って難しいですよね。

はっきり言ってしまえば、
仕事を抱えて親の介護は、時に優しく時に厳しくなってしまいます。

認知症状が進行していけば尚更です。

それが現実ですよね。

今回の「親の認知症介護」では、
すぐに出来る“3つの対応”と“エピソード”についてご紹介していきます。

誰もがなる?認知症とは。

認知症状は、脳が縮小するかダメージを受けるかで発症します。その根源の病気は様々です。

なかでも加齢に伴って発症することが多く、65歳以上の高齢者によく見られます。

平成29年度内閣府の高齢者白書によると、2012年は認知症患者数が約460万人、高齢者人口の15%という割合だったものが2025年には5人に1人、20%が認知症になるという推計があります。

認知症状の原因である病気は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ピック病などがあげられます。また脳挫傷、脳内出血、慢性硬膜下血腫のような頭部ダメージからなるものもあります。

因みに、厚労省は認知症状を国民の皆さんに知ってもらう為に、
認知症状のことを「認知症」=「病気」と言う定義にしているそうです。(2016年厚労省へ確認済)

年齢が重なれば重なるほどに、からだの動きなど低下するのと同じくして脳の動きや働きが低下してしまいます。だから、平均寿命100歳超えになったら…高齢者みんな認知症になる可能性だってあるかもです。

認知症状を正しく認識すると、どのように対応すれば良いのかが分かります。
とはいうものの認知症状は段階的に細かく区分化されています。

しかし、軽度・中度・重度の認識を持っていれば大丈夫です。

ちゃんとした認識をもっていれば、認知症状の進行を遅らせることができるし、介護負担を軽減することだってできます。

逆を言えば、ちゃんとした認識やコミュニケーションの方法を知らなければ、認知症は、本人だけでなく家族や介護者にも大きな負担をもたらすということなんです。

それでは、対応についてお話ししていきます。

親の認知症介護、すぐに出来る3つの対応

認知症を持つ親への適切な対応は、家族や介護者にとって重要な課題です。

繰り返し何度も同じ話を聞くことや、つじつまの合わない話に長時間付き合う事は、時として辛いものがあります。
心の負担にならないような、認知症の親とのコミュニケーション、すぐにできる3つの対応です。

1)「聞き流す」

同じ話を繰り返したり、過去の出来事を何度も思い出したりすることがあります。
このような場合、イライラするのではなく、話を静かにスーッと聞き流しましょう。
親の気持ちや思いを少しでもいいので尊重してあげましょう。

2)違う話題に導く」

何を言っているのか分からない。例えば、内容がつかめない混乱している場合
「ふー」っと、一呼吸して別の話題にすり替えたり誘導することが有効になります。
ちょっとした日常出来事やテレビの話題・天気でもなんでもいいです。

3)「穏やかなコミュニケーション」

穏やかで態度、話を受け入れています!という態度とコミュニケーション。
感情や気持ちを受け入れ接しようとする態度が重要です。
怒りやイライラは逆効果で、“嫌な人”という脳へインプットされのは避けましょう。
(あとあと大変)

 

アルツハイマー型認知症の母を抱えた介護福祉士のエピソードをご紹介します。

認知症の母とのコミュニケーションや日常生活が円滑になり、母が大事にしていることを気づかされて、より一層の絆を深めることが出来たケースです。

認知症の母が気づかせてくれたこと

家族の夕食作りに追われフライパンを振ってる時、いつの間にか私の背後に来ていた母。
唐突に母が20歳頃の話しを始めました。何度も何度も聞いた話です。

私は息子にご飯を食べさせ塾に送らなければならないので、イライラしはじめたのでした。

「その話は何度も聞いたよ、同じ話ばかりしないで」と、サッと振向いて母の話を遮ろうとしたとき。
一瞬、母と目が合いました。

その目が語っているのは

母の人生で、若くてキラキラしていた瞬間、その「今」を話しているのです。
“つややか”になっている目、いっぱいの“喜び”が宿っている目、ということに気づきました。

目が枯れていない…

その事に気づいた時から、母が同じ話をしても頷きながら右から左へ聞き流すようなコミュニケーションをはかりました。

相変わらず同じ話を繰り返します。
でも、自然に母の話を遮らなくなったのです。

もちろん、ずーっと話を聞くのは辛いし耐えらません。
そんな時タイミングを見計らって、違う話題や差しさわりのない話を差し出します。

すると、母とのコミュニケーションが円滑になったのです。
母を変えたのではなく、自分の対応の仕方を変えた事で会話が負担なく行うことが出来るようになりました。ほんのちょっとした対応で、共に楽しい時間を過ごせています。

認知症介護 介護する家族の挑戦

認知症を抱える親との日常生活やコミュニケーションは、家族の関係を保つために大きな挑戦になるかもしれません。

認知症への対応は簡単なことではありませんが、
簡単に!すぐに出来る3つの対応として

・聞き流す

・違う話題へすり替え、導く

・穏やかなコミュニケーション

親との関係や家族との関係をより良いものにすることができます。

いきなり3つを実践しなくても大丈夫です。

まずはひとつから始めましょう。

ひとつ実践すると、2つ3つ目へと繋がります。焦らずにいきましょうね。

少しでも、あなたの心と身体の負担が減るヒントになれれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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